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TOP お知らせ一覧 二川摩周が第9回欧州遺伝性腫瘍会議の口頭発表に採択されました

2025/09/19

二川摩周が第9回欧州遺伝性腫瘍会議の口頭発表に採択されました

2025年9月19日から21日にハイデルベルグ (ドイツ)にて開催された第9回欧州遺伝性腫瘍会議(9th Meeting of the European Hereditary Tumour Group:EHTG) において、二川摩周(特任助教・認定遺伝カウンセラー)の研究成果「Evaluation of a RAG-based AI Chatbot for Neurofibromatosis Type 1 Using Simulated Patient Queries: a Genetic Counselor-Led Validation Study(神経線維腫症1型の疑似患者質問集を用いたRAG-based AI(外部拡張生成AI)チャットボットの評価:認定遺伝カウンセラー主導の検証研究)」が口頭発表に採択されました。

遺伝性腫瘍症候群である神経線維腫症1型は,臨床症状の多様性から患者さんが必要な情報を十分に手に入れることが難しいという課題がありました。本研究では,ローカル型の大規模言語モデル(生成AI)を用い,患者さんの疑問に高精度で応答するチャットボットを開発しました。
このシステムの最大の特長は,機密性の高い医療情報を外部サーバーに送信することなく,安全な環境などで利用できる点にあります。これにより,患者さんのプライバシーを保護しながら,正確な情報提供が可能となります。
本ツールは遺伝の専門家を代替するものではなく,その監修下で個別化医療におけるコミュニケーションを支援し,患者さんと医療者のつながりを強める新たなアプローチとして大きな可能性を秘めています。今後は,応答のわかりやすさや親しみやすさを向上させ,臨床応用を目指します。

なお,当講座からは二川の他,平沢 晃(教授),浦川優作(大学院生),藤田裕子(大学院生),多田陽香(客員研究員)らが参加し,ポスター発表を行いました。