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臨床研究
Clinical research

TOP 臨床研究 2015年12月1日~2020年11月30日の間に当院において包括的ゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けられた方およびそのご家族の方へ

2015年12月1日~2020年11月30日の間に当院において包括的ゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けられた方およびそのご家族の方へ

「包括的ゲノムプロファイリング検査における生殖細胞系列バリアント検討プロセスの体制構築」へご協力のお願い

研究代表者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
臨床遺伝子医療学分野
教授 平沢 晃
研究分担者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
呼吸器・乳腺内分泌外科学分野
教授 豊岡 伸一
岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター 准教授 遠西 大輔
岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター 准教授 冨田 秀太
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
臨床遺伝子医療学分野
講師(特任) 山本 英喜
岡山大学病院 臨床遺伝子診療科 助教 河内 麻里子
岡山大学医学部 客員研究員 坂井 美佳

1.研究の概要

1) 研究の背景および目的

私たちの体をつくる一つ一つの細胞は、すべて同じ遺伝情報を持っています。
遺伝子とは「体を作る設計図」の役割を担うもので、私たちはそれぞれの遺伝子に「遺伝子の個性、特徴(バリアント)」を持っています。バリアントは、外見の特徴や病気のかかりやすさなどの体質の違いに関連しています。

生まれつき持っているバリアントは生殖細胞系列バリアントと呼ばれ、親から子へ受け継がれる遺伝情報となります。一方、バリアントが体の一部の細胞で新たに起こることがあります。そのバリアントが親から子へは受け継がれない場合、このようなバリアントは体細胞バリアントと呼ばれます。バリアントのうち、病気と関連することが分かっているバリアントを病的バリアントといいます。生殖細胞系列バリアントの情報は、患者さんだけでなく血縁者の方にとっても重要な情報になります。

がんゲノム医療で行われる包括的ゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)では、がん細胞で起こっている遺伝子のバリアントを網羅的に調べ、新たな治療の選択肢などを見出すことを目的としています。

現在実施されている多くの包括的ゲノムプロファイリング検査では、検出されたバリアントが生殖細胞系列バリアントであるのか体細胞バリアントであるのか区別することはできません。一方、検査の結果から、生殖細胞系列由来であることを明確にはできないものの、その可能性が推定されるバリアントを見出すことは可能です。これを「presumed germline pathogenic variant(以下PGPVと略します)」と呼びます。

がんゲノム医療を行う病院では、一人一人の患者さんの包括的ゲノムプロファイリング検査の結果を慎重に検討し、PGPVがあるかどうかを検討しています。見出されたPGPVは、専門家会議で検討され、遺伝性疾患の可能性があるかどうかを判断します。現在、この作業はそれぞれの病院が独自に行っており、本邦では、統一された方針はまだ作られていません。さらに、これまでにがんゲノム医療で見出されたPGPVの情報を共有する仕組みはなく、PGPVの実態は明らかになっていません。

がんゲノム医療を受ける患者さんの数は年々増えています。検査の結果からPGPVを見出す作業は煩雑であるため、将来、それぞれの病院では現場には大きな負担がかかってくると予想されます。

以上より、がんゲノム医療の成果を安全に患者さんに届けるためには、PGPVを見出す作業の効率や質を高め、それを共有する体制づくりが必要と考えられます。

これを実現するために、本研究では、
① PGPVの実態の把握
② PGPVを見出す作業の効率化に必要な因子を見つけること
③ PGPVを見出す作業を共有する体制づくりのために必要な因子を見つけること
以上を目的とした観察研究を行います。

本研究では、岡山大学病院と共同研究機関(兵庫県立がんセンター、四国がんセンター)で包括的ゲノムプロファイリング検査を受けられた患者さんの診療録から、臨床情報、検査で検出されたバリアント情報、およびPGPVを見出す作業内容の記録を収集します。

本研究では、患者さんの生殖細胞系列バリアント結果開示の希望の有無にかかわらず情報を収集しますが、個人が特定されることはなく、本研究の解析結果を患者さんにお知らせすることはありません。


2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義

この研究の結果は、がんゲノム医療のさらなる発展に寄与し、より適切な個別化治療の構築に貢献すると考えられます。

2.研究の方法

1) 研究対象者

2015年12月1日~2020年11月30日の間に岡山大学病院および共同研究機関において、包括的ゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けられた方250名(岡山大学病院では150名)を研究対象とします。


2) 研究期間

倫理委員会承認後~2023年3月31日


3) 研究方法

2015年12月1日~2020年11月30日の間に岡山大学病院および共同研究機関において包括的ゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けられた方の診療情報から、臨床情報、検査で検出されたバリアント情報、およびPGPVを見出す作業内容の記録を収集し、調査・集計します。


4) 使用する情報

この研究に使用する情報として、診療録から以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  1. 1)臨床情報:受検年齢/発症年齢/性別/臨床診断/組織診断/合併症/既往歴/家族歴/遺伝子検査・遺伝学的検査・臨床病理学的検査の結果/治療歴/検体情報/転帰
  2. 2)包括的ゲノムプロファイリング検査で検出されたバリアント情報
  3. 3)PGPVを見出す作業内容の記録

5) 外部への情報提供

この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。

独立行政法人国立病院機構四国がんセンター
兵庫県立がんセンター


6) 情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年が経過した日までの間、許可された者しか立ち入ることができない岡山大学病院臨床遺伝子診療科内の施錠された保管場所で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。この研究で得られた成果の一部は、氏名など個人情報が特定できないように匿名化した上で論文や学会で発表を行ったり、国内外のデータベースに登録して公表する「データシェアリング事業」に参加したりする場合があります。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、あらためて倫理委員会に申請し承認を得ます。


7) 研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、補佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2021年3月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。了承いただけない場合や同意撤回される場合、すでにあなたの検査であることが特定できない形にされている情報やゲノムデータの一部については削除できない場合があり、事前に同意された範囲で活用されることがあります。

お問い合わせ先

岡山大学病院 臨床遺伝子診療科
氏名 坂井 美佳
Tel 086-235-7436(平日 10時00分~16時00分)
Fax 086-235-7437

研究組織

研究代表機関名
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床遺伝子医療学分野

研究代表責任者
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床遺伝子医療学分野
教授 平沢 晃

共同研究機関
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター
遺伝性がん診療科医師 山本 弥寿子
兵庫県立がんセンター
研究部長・婦人科部長 須藤 保