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岡山大学学術研究院医歯薬学域 臨床遺伝子医療学分野のWebサイトです。

中央西日本遺伝性腫瘍コホート
Mid-West Japan Hereditary Tumor Cohort

TOP 臨床研究 中央西日本遺伝性腫瘍コホート

広域医療圏の協力による遺伝性がん予防を目的とした前向きコホート研究です(2024年3月現在50施設が参加)

  • 多施設の協力による遺伝性腫瘍に対する取り組みです。
  • 長期に渡ってきめ細かく丁寧に支援する体制を作っていくことで、最適な医療のためのエビデンスを構築します。
  • 「地域医療としての遺伝性腫瘍診療」を根付かせます。

がんの約1割は遺伝因子によって生じることが知られており、一般に「遺伝性腫瘍」と呼びます。遺伝性腫瘍の原因遺伝子を調べることで、がん予防に結びつけることが可能な場合があるものの、日本人のデータはまだ十分ではありません。
2020年12月に岡山大学病院を含む中国・四国地方を中心とした16施設が協力して、遺伝性腫瘍に対する取り組み「中央西日本遺伝性腫瘍コホート研究*1」がスタートしました。我が国におけるがん予防に係るエビデンスを発信することで、国民の健康管理に役立つことを目指しています。

遺伝の情報はあなたの大切な情報ですが、あなただけのものではありません。遺伝情報は血縁者や地域で共有しているものです。

「がんに罹りやすい」という遺伝情報(遺伝性腫瘍の関連遺伝子)をきちんと調べることで、あなたのがん予防が可能になるだけでなく、血縁者の方にとっても、がん予防のきっかけにもなることがあります。
遺伝性腫瘍の診療は「究極の地域医療・家庭医療」といえます。

研究の概要

中央西日本遺伝性腫瘍コホート
中央西日本遺伝性腫瘍コホート
各施設の詳細はこの画像をタップしてご確認ください。

2024年3月現在
(倫理申請準備中の施設も含む)

研究グループでは遺伝性腫瘍の方とその家系を対象に、関連腫瘍発症率、生存率、マネジメントに関する評価、リスク低減手術によるQOL評価、およびゲノム疫学的解析等を行います。研究参加者に対しては、年1回の定期的な追跡調査で病気の有無や血液検査の結果などの臨床情報を確認し、血液や組織を「岡大バイオバンク」*2で保管して、将来的な研究・開発に役立てます。
このように、わが国での遺伝性腫瘍の基盤データを集積することで、臨床の現場での対応策を明らかにしていくことが可能になります。

用語説明

医療圏に根差した前向きコホート研究 医療圏に根差した前向きコホート研究

1)コホート研究:コホートとは「集団」を意味します。「コホート研究」とは研究対象者となる集団を将来にわたって長期間観察し追跡を続けることで、ある要因の有無が病気の発生または予防に関係しているかを調べる研究。

2) 岡大バイオバンク:岡山大学病院では患者さんの生体試料と診療情報を管理 ・利活用して、一歩進んだ医療の提供を目指す、「岡大バイオバンク」を設置しています。

3)バリアント:遺伝子の特徴。遺伝子検査は,検査を受けた方の遺伝子と代表的な遺伝子を比べて「塩基配列や構造の違い(特徴)」を探すことを目的としています。その違い(特徴)はバリアントと呼ばれています。バリアントの中には,病気の原因となるものありますが,個人差の範囲に含まれるものもあります。

研究協力施設を募集しています

お問い合わせは下記へお願いいたします。

お問い合わせ先
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻
腫瘍制御学講座 (臨床遺伝子医療学分野)
教授 平沢晃
電話 / 岡山大学病院 臨床遺伝子診療科 086-223-7151(代表)
Mail / cgm@okayama-u.ac.jp(医局)