遺伝性腫瘍
Hereditary tumors
リンチ症候群
リンチ症候群とは
リンチ症候群の要因
遺伝的な要因でがんの発症リスクが高まる体質である遺伝性腫瘍の一つに、リンチ症候群があります。
リンチ症候群では、MLH1(エムエルエイチワン), MSH2(エムエスエイチツー), MSH6(エムエスエイチシックス),
PMS2(ピーエムエスツー),EPCAM(エピカム)遺伝子に病気と関わる遺伝子の特徴(病的バリアント)があることが原因となります。
これらの遺伝子に生まれつき病的バリアントがあることで、大腸がんや子宮体がんなどのがんになりやすい体質となることが知られています。
一般集団におけるリンチ症候群の頻度は1/279と推定されています 。また、リンチ症候群は全大腸がんの0.7~3.7%、子宮体がんのおよそ3%を占めると報告されています。
ミスマッチ修復遺伝子について
リンチ症候群の原因遺伝子である、MLH1,MSH2,MSH6,PMS2 はミスマッチ修復遺伝子と呼ばれています。ミスマッチ修復遺伝子は、DNAの修復に働くがん抑制遺伝子の一つです。
参考文献
1)Aung Ko Win et al. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2017 Mar; 26(3): 404–412.
2)遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2020年版
http://www.jsccr.jp/guideline/2020/hereditary_particular.html
3)Gregory Idos (Feb 2021). Lynch syndrome. In: GeneReviews at GeneTests: Medical Genetics
Information Resource (database online). Copyright, Seattle : University of Washington, Seattle;
1993-2022. Available at
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1211/ Accessed July 28 ,2023.